W213 後期(2020年以降)で多いのは9G-TRONIC(自動変速機)のシフト不良・エアサスの漏れ・電動ステアリングの故障の3つ。前期(2016〜2019)より電子系のトラブルは減っていますが、この3つの機械系トラブルは今も一定数出ます。修理代の目安は下の「修理代の目安」へ。
W213 後期(2020年〜)の変更点はMBUXと48V化(30秒で前提)
W213は2016年に登場した5代目Eクラス。2020年に大きなマイナーチェンジ(後期型)がありました。後期型の主な変化:
- フロント・リアのデザイン刷新(LEDヘッドライトが新しい形に)
- MBUX(車の画面まわりの新しいシステム)を搭載
- 48Vマイルドハイブリッドを主力グレードに展開
- ステアリングがタッチ操作式に変更
- 9G-TRONICという自動変速機は前期から継続
主なエンジンは1.5Lガソリン+48V(E200)・2.0Lガソリン(E300)・2.0Lディーゼル(E220d)で、上位に3.0L直6+48V(E450)があります。
【現場確認済】前期(2016〜2019)で多かった電子系の初期不良は後期でかなり減りました。一方、エアサス・自動変速機・ステアリングの機械系トラブルは前期・後期問わず一定数出ています。
W213 後期で多い5つのトラブル
1. 自動変速機のシフト不良
症状: 前進(D)に入らない・後退(R)に入らない・走行中にDから空走(N)に戻る。
いちばん多いのは変速機内部のセンサー故障で、ディーゼル(E220d)で多く報告されています(出典: オートプラネット整備記録)。
走行中に違和感があったら即停車し、JAFかディーラーに連絡を。放置すると重大事故につながります。
2. 電動ステアリングの故障(最悪ハンドルが動かなくなる)
症状: ハンドルが急に重くなる・ステアリング警告灯が点く・最悪ハンドルが動かなくなる。
前期・後期を問わず報告される重い故障です。ベンツ専門店も「ハンドルに違和感を感じたら、すぐ停車してください」と注意喚起しています(出典: ベンツ修理専門店MBworks整備ブログ)。
修理代: 新品部品で約50万円、リビルト品(中古再生部品)で約30〜35万円が目安です。
3. エアサスペンションのトラブル
車高を電子制御するエアサス搭載グレード(主にE450・AMG系。前期はE400)で多く出ます。
- エアサスバッグの劣化・空気漏れ(車高が片側だけ下がる)
- コンプレッサーの異音・故障(空気が入らなくなる)
- 車高制御ユニットの故障

修理代の目安: エアバッグ交換1本20〜30万円・コンプレッサー交換15〜25万円
4. 安全運転支援カメラのエラー
後期型でも前方監視カメラ・車線変更アシストのエラー報告があります。雪や雨の日の機能制限警告は正常な動作。晴れた日にもエラーが頻発するならカメラ本体の交換が必要なケースがあります。
5. 発電系の異常(48Vハイブリッド車)
48Vマイルドハイブリッド搭載車では、エンジンの始動と発電を1台でこなす装置(ISG/BSG)まわりのトラブルが報告されています。バッテリー上がり・始動不良が前兆です。
→ 次にすること: 当てはまる症状があれば、下の表で相場を確認してから見積もりへ。
修理代の目安(業界公表値ベース)
| トラブル箇所 | ディーラー目安 | 専門整備工場目安 | 中古・リビルト目安 |
|---|---|---|---|
| 変速機オイル交換 | 5〜10万円 | 4〜8万円 | (DIY困難) |
| 変速機の内部修理 | 30〜50万円 | 22〜35万円 | 18〜28万円 |
| 電動ステアリングユニット交換 | 50万円 | 35〜45万円 | 30万円前後 |
| エアサスバッグ 1本 | 25〜30万円 | 18〜25万円 | 12〜18万円 |
| エアサスコンプレッサー | 20〜25万円 | 15〜22万円 | 10〜15万円 |
| 変速機 全交換(重故障) | 50〜100万円超 | 40〜80万円 | (扱い少) |
| 排ガス浄化系の修理(ディーゼル) | 30〜50万円 | 22〜35万円 | 15〜22万円 |
【業界公表値】(出典: マーキーズ W213 修理費用一覧 / baize.jp W213 解説 / オートプラネット整備記録)
変速機・エアサス・ステアリングのどれか一つでも重い故障になると、修理代は30〜50万円を超えてきます。見積額が車両価値に迫るなら、直して乗り続けるか、直す前に手放すかを数字で比べるのが現場の定石です。査定は無料なので、先に相場を知ってから判断しても遅くありません。修理代がいくらを超えたら乗り換えを考えるべきか、金額別の分岐点は外車の修理代が高すぎる 直すか売るかの分岐点を金額別にで確認できます。
直すか売るかは、いまの査定額を見てから決められます
- 査定はどれも無料。売るかどうかは金額を見てから決めてOK
- 電話が苦手な人に向いた方式も選べます
| ユーカーパック | ガリバー | カーセンサー | |
|---|---|---|---|
| 方式 | オークション | 店舗買取 | 一括査定 |
| 営業電話 | 1社のみ ※1 | ガリバーのみ | 依頼した店から |
※1 やり取りの窓口はユーカーパック1社にまとまり、買取店からの直接電話はありません(公式公表の仕組み)。 ※どれが優れているというものではなく、売り方の好みや急ぎ具合で向き不向きが分かれます。査定額は車両の状態・年式・走行距離・時期により異なります。実績・所要時間は各社公式サイトの公表値(2026年7月時点)です。
DIYでできること・できないこと
W213後期はどのトラブルも基本DIY不可です。
- 変速機・ステアリング・エアサス: メーカー専用の診断機が必須
- MBUX・カメラの調整: ディーラーの専用設備が必要
- 排ガス浄化系の強制再生: 診断機での操作が必要
オーナーができるのは「異変を早く見つけること」と「予防整備」です。
予防整備で効くこと
- 変速機オイル交換: メーカーの定期交換指定は基本なし(無交換扱い)。ただし専門店は4〜8万kmでの予防交換を推奨する傾向。本記事の目安は6〜8万km
- エアサス搭載車は車高の変化を毎日チェック(駐車中に片側だけ下がっていないか)
- ハンドルの違和感を放置しない(早く気づけば部分修理で済むことも)
整備工場の選び方(現場目線)
W213後期はベンツ専用の診断機が必須。工場選びのポイント:
- 専用診断機の所有をホームページに明記しているか
- W213(現行5代目)の整備実績があるか
- 変速機のオーバーホール実績があるか(難しい作業なので対応できる店は限られる)
- エアサスの中古再生部品の在庫を持っているか(大幅に安くなることが多い)
中古車購入時のチェックポイント
中古車屋目線でW213後期を買うなら確認したい4項目です。
- 変速のフィーリング(試乗して前進・後退・空走の入りを確認)
- 車高の左右差(目で見て・水平器で確認)
- ハンドルの感触(センター付近の重さ・違和感)
- 過去の警告灯の履歴(消去される前の履歴を確認)
4つめの警告灯の履歴は、OBD2診断機(運転席足元のコネクタに差す機器)をつながせてもらえれば商談の場でも確認できます。診断機は「まず安く試す」か「確実に広く見る」かの2タイプです。
| タイプ | 向いている人 | できること |
|---|---|---|
| まず安く試す: ELM327(汎用Bluetooth) | まず警告灯の正体だけ知りたい人 | エンジン系の故障コード(Pコード)の読み取り。初動の切り分けに |
| 確実に広く見る: iCarSoft CR Pro+(40+ブランド対応) | 輸入車を長く乗る・自分で切り分けたい人 | 全システム診断+各種リセットまで。メルセデスほか欧州車を1台でカバー |
ELM327は安い分、エアバッグ(B系)・ABS(C系)やメルセデス独自の項目は読めないことが多い点は割り切りを。機種選びの全体像は外車OBD2診断機の選び方へ。
【業界公表値】整備記録の有無は査定額に大きくは反映されませんが、「この先どんな故障が出そうか」を読む材料としては一番大事です。記録がない車両は、修理リスクを見込んで購入判断を。
まとめ: 保証があるうちに症状を出し切って無償対応を引き出す
保証期間中にできるだけ症状を出し切って、無償対応してもらうのが現場目線の鉄則です。
今日できる次の一歩
- 変速・ハンドル・車高に違和感 → 即停車し、早めにディーラーに伝えて記録を残す
- 見積額が車両価値に迫る → 無料の査定で相場を知り、直すか手放すかを数字で比べる
- これから買う → 上の中古車チェック4項目を試乗で確認する
修理代と並んで見直す余地が大きいのが自動車保険です。輸入車は保険料が高くなりがちで、同じ条件でも保険会社によって年数万円の差が出ることがあります。更新時期が近い方は一度比較を。


